経歴とアメリカの歴史
経歴 | アメリカの歴史 | |||
1918.11 | 第一次世界大戦終結 | |||
1919.8.21 | ジョージア州サヴァナで生まれる | |||
1920.8 | 憲法修正19条により女性に参政権 | |||
1924.6 | 合衆国内の全インディアンに市民権を与える法律成立 | |||
1929.10 | ニューヨーク株式市場が大暴落し、以後、合衆国は大恐慌へ | |||
1941.12 | 第二次世界大戦参戦 | |||
1942 | 23歳 | テネシー州ナッシュヴィルのヴァンデビルト大学において看護学で理学士号を取得 | ||
1943-44 | 24-25歳 | チャタン・サヴァナ保健協会で看護スタッフとして働く | ||
1945.8 | 第二次世界大戦終結 | |||
1948 | 29歳 | ボストンのハーバード大学公衆衛生学部で公衆衛生学の修士号取得 カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)にて小児看護学助教授 | ||
1950.6 | 朝鮮戦争に全面軍事介入 | |||
1961.8 | ベルリン問題に米ソ緊張 | |||
1963 | 44歳 | UCLA教授へ | ||
1966.10 | 性差別反対運動団体NOW結成 | |||
1973.1 | 米最高裁判所、妊娠中絶の権利を承認 | |||
1980 | 61歳 | 行動システム・モデルを公表 | ||
1981 | 62歳 | ヴァンデビル大学看護学部から優秀賞を得る | ||
1999.2.4 | 80歳 | 逝去 |
人間は行動システムである!
人間とは?
人間は組織化され、相互に作用・依存しあう七つのサブシステムから成る行動システムから成り立っている。行動システムは、人間にとって本質的なものであり、強い力あるいは、抵抗力の低下によって行動システムのバランスが乱されるような時には、人間の統合性がおびやかされるが、人間は常に不均衡をもたらす環境の作用に対し、適応および順応することによって常に安定状態を保とうとしている。そして、人間はこのように能動的に各自の環境に適応しようとして、環境から生存に必要なものを受け、概念の習得により形成されていく。
それだけでなく、環境をよりよいものにしようと働きかけている。
行動システムとは?
行動システム理論は、人間を生物学的部分の集合と考え、病気は生物学的システムの障害であると考える生物学的システム理論に類似している。
このシステムは行為および行動を通して一貫性を維持するが、その行動は生物学的、心理学的、社会学的要因によって規制および制御される。
変動因子とは?
➀ 生物的因子
② 発達上の因子
➂ 文化的因子
➃ 生態学的(環境)因子
➄ 家族因子
➅ 病理学的因子
➆ 心理的因子
⑧ 社会的因子
⑨ 健康レベル
ナイチンゲールとの比較
<類似点>
人間は環境の影響を受け形成されるということ
<相違点>
ナイチンゲールは人間を統一体とみなしているのに対し、ドロシー・ジョンソンは行動システムとしてみなしている点
健康とは?
健康とは、生物学的・心理学的・社会的因子によって影響される動的不定の状態であり、人間の行動システムのバランス、および、安定性のことである。それは、保健医療従事者が望んでいる価値であり、病気よりも、人間に焦点を置いている。また、健康は、行動システムの編成、相互作用、相互依存、統合により招来する。システム維持のためのエネルギーが最小限ですむとき、より多くのエネルギーが生物学的過程に作用し、回復のために活用される。
健康は秩序に立って目的かつ、予想不可能な行動という形をとって現れる。その行動は、人間の環境に対する関係を効果的、かつ効率的に管理するものでなければならない。
≪類似点≫
・環境によって影響されるものであること
・病気よりも人間(病人)に重点を置いていること
≪相違点≫
・ナイチンゲールは病気は回復過程であると表現しているのに対して、ジョンソンは、直接には取り上げていないが、行動システムの機能不全であると考えているようであること。
看護とは?
人間が行動システムの均衡を崩したり、外的援助を必要とするような心理的危機や身体的な病気に陥ったりした場合に、看護が必要となる。したがって看護は、行動システムのバランスを取り戻すよう作用する外的調節力であり、人々の健康と福祉に対して独自の貢献をするサービスなのだ。そして、アートであり科学である看護は、人間が最も高いレベルの可能な行動機能レベルを求めることを援助し、研究を通してそのレベルが何であるのかを特定化することに貢献する義務がある。また、看護は医学やほかの保健医療職の補完的サービスであり、決してそれらの権威に依存するものではない。
≪類似点≫
・看護をアートであり科学であるとしている点
・看護は病気の予防、治療、回復に有効な患者の行動を育むものとしている点
・治療において、看護婦と患者との接触の必要性を指摘している点
・看護活動は、医学の権威に依存するものではないとしている点
Keyword
行動システム
サブシステム
環境
均衡
ストレス
<参考文献>
- 都留伸子著/看護理論とその業績、第2版、医学書院
- 馬場一雄ら編/看護MOOK看護理論とその実践への展開、第1版、金原出版
- 小田正枝監修/看護理論とモデル<HBJ看護サマリーシリーズ>第2版、HBJ出版局
- 紀平英作/アメリカの歴史、第1版、財団法人放送大学教育振興会発行
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