患者さんを移乗させるといったとき、目的はなんですか?と教員に尋ねられたらどう答えますか?
もしかして、「離床のためです」なんて答えていないですか?
長期臥床によって、廃用症候群を引き起こしてしまうことは 絶対にあってはいけないが、離床が目的で車椅子に移乗するなどと考えてほしくはないですね。
じゃあ、どうしろっていうの?という質問が聞こえてきますので、私の考えてをお伝えします。
人間は、「すべての行動に意味がある」ということを、私は一つ人間観として持っています。無意味な動きをしないんです。
ヘンテコな動きをしている人がいたとしても、それは一つの表現であり、メッセージなのです。
だから、ただ、離床を目的に起きることは人間の行動上ありえないんです。
みなさんも、朝、ベッドや布団からでるとき、何を考えていますか?
「そろそろおきなきゃ」という気持ちが少なからずあるのではないですか?
ベッドに寝ていたら、起きる。当たり前だけど、そこには起きるための目的が必ずあるんです。
だらだらと書きましたが、言いたいことは、あなたが動かすのは物ではなく、人であるということ。心を動かすということ。
そこを考えて援助しない限りは、患者中心の看護をうたうことはできないですね。
起こすことが目的ではなく、目的があって起きるように援助できたらいいですね。
コメント