Aさん(64歳、男性)は、肺炎のため抗菌薬の投与目的で入院となった。治療開始後3日に全身の皮膚、眼瞼結膜および口腔粘膜に紅斑と水疱が出現した。バイタルサインは、体温 38.5 ℃、呼吸数 24/分、脈拍 80/分、血圧 124/80 mmHg、動脈血酸素飽和度(SpO2) 96 % (room air)であった。
Aさんに出現している症状から考えられる病態はどれか。
1.後天性表皮水疱症
2.シェーグレン症侯群〈Sjögren〉
3.全身性エリテマトーデス
4.スティーブンス・ジョンソン症候群〈Stevens-Johnson〉
【解答】4
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【解説】
1:後天性表皮水疱症は、表皮下水疱の形成を特徴とする、稀な後天性の慢性疾患。
2:シェーグレン症侯群は、主に目の渇きを特徴とする、自己免疫疾患で、女性に多い。
3:全身性エリテマトーデス(SLE)は20〜30歳代の女性に好発する膠原病の一種で、レイノー症状、発熱や倦怠感、光線過敏症、蝶形紅斑、などを主症状とする。
4:スティーブンス・ジョンソン症候群は、感染症、薬剤(抗菌薬等)がきっかけで口唇、口腔、目、鼻などの粘膜にビランが生じ、全身に紅斑、水疱が生じる。
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