看護師が実践の中で、患者さんの声をきき、代弁者となり、患者さんの目指す未来をかなえる介入をしていきます。その際、本当の想いを聴き取るために傾聴という言葉が頻繁に使われます。
傾聴の5つのポイントとは?
私はこの傾聴を行う上で5つのポイントを大切にしています。
①話をする相手を大切な存在であると感じること、
②相手の話を興味をもって聴くこと、
③相手の話を批判、反論しないこと
④どんな気持ちで話しているのか、言葉だけでなく、態度、表情、仕草のなど非言語表現から気持ちを感じ取ること
⑤相手に自分の意見を押し付けないこと
以上の5点です。
共感的に、受容的な態度をもって人と関わることなどという表現も看護学に身を置いているとよく耳にする表現の一つであり、根底はこの傾聴の姿勢にあると理解しています。
私は看護実践の中ではこの傾聴の姿勢をとても重要視しています。その理由は一つ。相手の真のニーズをしっかりと把握するためです。入院してどのようなことに困っているのか、今現在苦痛に感じていること、不安に思っていることはなにかを、負担にならない程度に機会をみて話しています。人はニーズを満たしてくれる人の存在を認め、それ以降も私の話に耳を傾け、実践してみようと行動してくれるのです。つまりは、信頼関係が築けるということになります。
入院し、誰を信じていいのかがわからない状態はとても不安定で、ストレスの強い状況と私は認識しているので、まずはこの環境変化に伴うストレスを解消する。信頼関係を築き、安心できる環境を創ることを入院早期に行うことで、治療が患者と一体となって進めていけることを実践の中で学び取りました。
今まで傾聴の姿勢がいかに重要かと論じてきましたが、傾聴はあくまで、患者さんの真のニーズを引き出すツールであり、それを活かしてどうケアにつなげていくかが最も重要だと考えます。
久々に熱くなりました。
真のニーズとは何か?
患者さん・家族にとって本当に必要なこととは?
常に考えながら実践できるといいですね。
確実な答えのない領域に踏み込むと評価もできない、達成感も得られなくなります。
あなたが成長を実感できることもまたやりがいにつながる重要な見方です。
大変な毎日を過ごしながらでも、ふと手を止めて思い返せる看護実践が一つでも増やせるようにしていきたいですね。
コメント