【第110回:午後100・101・102】Aちゃん(生後3週)は、在胎40週、3,070gで出生した。生後5日で退院し、退院時の体重は3,080 gであった。完全母乳栄養である。 現病歴:5日前から嘔吐があり、次第に哺乳のたびに噴水状に嘔吐するようになった。今朝も嘔吐があり、吐物は白色である。排尿もないため家族に連れられ来院した。Aちゃんは肥厚性幽門狭窄症が疑われ入院した。 身体所見:体重3,380 g、体温36.7°C。脈拍 120/分、整。血圧74/52 mmHg。大泉門は陥凹、皮膚のツルゴールは低下、上腹部は軽度膨隆。 検査所見:白血球9,600/μL。Na 131mEq/L、K3.4 mEq/L、CI 86mEq/L、CRP0.1mg/dL。

Aちゃん(生後3週)は、在胎40週、3,070gで出生した。生後5日で退院し、退院時の体重は3,080 gであった。完全母乳栄養である。現病歴:5日前から嘔吐があり、次第に哺乳のたびに噴水状に嘔吐するようになった。今朝も嘔吐があり、吐物は白色である。排尿もないため家族に連れられ来院した。Aちゃんは肥厚性幽門狭窄症が疑われ入院した。身体所見:体重3,380 g、体温36.7°C。脈拍 120/分、整。血圧74/52 mmHg。大泉門は陥凹、皮膚のツルゴールは低下、上腹部は軽度膨隆。検査所見:白血球9,600/μL。Na 131mEq/L、K3.4 mEq/L、CI 86mEq/L、CRP0.1mg/dL。

【問題100】 Aちゃんの状態のアセスメントで正しいのはどれか。

1.脱水症は軽度である。
2.非胆汁性嘔吐である。
3.炎症反応の上昇がある。
4.出生後の体重増加は良好である。

【解答】2
–––––––––––
【解説】

1:体重減少率は 9.7%で、大泉門陥没もあることから、軽度ではなく、中等度脱水と考えられる。

2:吐いたものが緑色ならそれは胆汁であるが、Aちゃんの吐物は白色であるため、非胆汁性嘔吐と考えられる。

3:CRP0.1mg/dLで、正常値は0.3mg/dL未満であり、1以下は大体正常、重症感染症では10以上になる。

4:新生児には生後2~3日頃一時的に体重が減る「生理的体重減少」という現象があり、生まれたときよりも体重が減ってしまうものです。ちなみに新生児の体重は「生後1カ月で1kgの増加」が望ましいとされています。よってAちゃんの体重は軽すぎると判断するべきです。

【問題101】 検査の結果、Aちゃんは肥厚性幽門狭窄症と診断された。Aちゃんは直ちに絶飲食となり、経鼻胃管が留置され、持続点滴静脈内注射が開始された。担当医師と家族とが治療方針を話し合った結果、全身状態が安定したあとに手術をする方針になった。Aちゃんの術前看護で正しいのはどれか。

【解答】3
–––––––––––
【解説】

1:絶飲食であるAちゃんに、浣腸を行う理由が見当たらない。

2:術前、術後の尿量の測定は必要である。

3:経鼻胃管のドレーン・カテーテル・チューブ管理での目的は、胃内容物の性状確認と胃内容物の体外への誘導(減圧、ドレナージ)であるため、自然解放とすることが正しい。

4:経鼻胃管が留置され、持続点滴静脈内注射が開始されたからといって、生後3週のAちゃんを抱っこしてはいけない理由が見当たらない。

【問題102】 入院後3日。Aちゃんは全身状態が安定し、全身麻酔下で腹腔鏡を用いた粘膜外幽門筋切開術(ラムステッド手術)を受けた。術後の看護で適切なのはどれか。

1.授乳前後の排気
2.人工乳への変更
3.予防接種の計画立案
4.腸管の縫合不全の観察

【解答】1
–––––––––––
【解説】

1:手術の翌日からミルク(母乳)を少量から飲み始めます。腹部膨満を防ぐため授乳前後は排気を十分に行い、少しずつ飲む量を増量していく。

2:完全母乳栄養ではなく、人工乳への変更が必要な理由が見当たらない。

3:予防接種の計画立案より、授乳後の排気をきちんと指導することが適切。予防接種については術後の回復を待ってからでも充分です。

4:全身麻酔で開腹手術を行うと、腸管と腸管の間、あるいは腸管とお腹の創との間に癒着が生じる。癒着を起こすこと自体は正常な治癒過程ですが、癒着が原因で腸閉塞をひきおこすことがあるので腹痛、嘔吐、腹部膨満といった症状には注意が必要である。

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