「特定看護師って何をする人なんですか?ミニドクターをつくることなんですか?」
看護業界というか医療業界に新しい検討が以前よりされており、その取り組みが2009年「特定看護師」(仮)という形で制度の創設を目指して始まりました。
イメージでは海外のNP(ナース・プラクティショナー)のようなものでしょうか。今まで医師のみが実施することを許されていた医療行為に対して法的な根拠を与えて、看護師が実践できるようにしようとするのが今回のおおまかな試みです。
看護師の地位向上やキャリアアップを図るため、看護師の職能団体である日本看護協会が、制度創設について厚生労働大臣などに強く要請してきたということも知られています。業界では「医師の養成には時間も費用もかかることから、医師不足を簡単に補いたい国と、看護師の地位向上を図りたい日本看護協会の思惑が一致した」とも言われている。
ミニドクターを創ることになるのでは?と懸念の声を否定的な反応が見られることがありますが、私は安易にこれを否定することはもったいないと思っています。
看護師の業務は、いかに患者さんを自分らしく生活できるように、苦しみを早く取り除き、安寧な生活を送ってくるかに尽きると思います。その点で、特定看護師(仮)は、在宅で不足する薬剤の管理や、急性期の疼痛緩和のための鎮静剤投与、不穏患者の安眠を図るための投薬など看護師の判断で実践できるようにしようとしています。
すべて『患者さんのため』というところがポイントです。
私は、この制度に基本的に賛成派なのであるが、試作だけにまだまだ運用するには医師や他職種との連携の取り方についてどうするのかなど、まだまだ議論を尽くさなくてはならない危うさがあります。
ただ、大切なのは、人間がどうしたら安楽に、幸せな生活が送れるかです。もちろん看護師不足の中でそのような人材を育成しても、病院の人手不足は解消されないのではないかという懸念もありますが、患者さんが地域でささえられるようになると、急性期以外は在宅でフォローできるようになります。そうなれば、病院に入院している人も少なくなり、総じて病院のスタッフの人数も充足してくるのではないか。
まだまだ、問題が多すぎて実践に至るまでには時間が掛かりそうですね。
あっ!でも、もう特定看護師を養成する大学も出てきているので、興味のあるかたはリンクをご覧ください。
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