【第110回:午前109・110・111】Aさん (29歳、初産婦)は、妊娠37週0日で2,780gの男児を正常分娩で出産した。出生後5分の児の状態は、心拍数150/分、四股を屈曲させて啼泣している。顔面を清拭されると激しく啼泣し、全身はピンク色である。

Aさん (29歳、初産婦)は、妊娠37週0日で2,780gの男児を正常分娩で出産した。出生後5分の児の状態は、心拍数150/分、四股を屈曲させて啼泣している。顔面を清拭されると激しく啼泣し、全身はピンク色である。

【問題109】このときの児のアプガースコア〈Apgar〉は何点か。

1.10点
2.8点
3.6点
4.4点

【解答】1
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【解説】

 皮膚色、心拍数、刺激に対する反射反応、筋緊張、呼吸すべて2点のため、10点となる

心拍数150回/分→2点、呼吸:啼泣している→2点、筋緊張:四肢を屈曲されている→2点、反射:顔面を清拭すると激しく啼泣→2点、皮膚色:全身ピンク→2点

【問題110】 出生後1時間。児の状態は、直腸温 37.0℃、呼吸数 40/分、心拍数 120/分、経皮的動脈血酸素飽和度(Sp02)96% (room air)、四肢冷感やチアノーゼを認めない。哺乳は開始していない。 Aさんの経過は順調である。このときの児への看護で適切なのはどれか。

1.ビタミンK2シロップを経口投与する。
2.風通しの良いところに児を寝かせる。
3.先天性代謝異常検査を行う。
4.早期母子接触を行う。

【解答】4
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【解説】

1:出生時のビタミンK2シロップ経口投与は、通常哺乳後に飲ませる。

2:出生後は低体温を予防するため、温めることが通常で、風邪通しの良いところ寝かせると低体温を引き起こす可能性があり、正答肢として考え難い。

3:先天性代謝異常検査は、通常退院前など時期に行う病院が多い。日齢4~6日に、かかとに針を刺して出てくる数滴程度のわずかな量の血液で検査を行う。

4:状態が落ち着いている場合、哺乳も開始していない出生後1時間であれば早期母子接触をまず行うのが正しい。

 早期母子接触の基準に照らし合わせると、37週の正期産児で2500グラム以上。体温・呼吸数・心拍数・SpO2ともに異常なし。109の設問よりアプガースコアは8点以上。早期母子接触実施可能。

【問題111】産褥4日。Aさんは、血圧 112/80mmHg、脈拍76/分、Hb 11.2g/dL、Ht 37.0%。子宮底を臍下4横指に硬く触れる。悪露は赤褐色で少量。凝血の混入や悪臭はない。乳房は緊満しており移行乳が分泌している。Aさんは「夜中も3時間ごとくらいに授乳をするためほとんど眠れていません」と話している。表情は穏やかである。このAさんのアセスメントとして適切なのはどれか。

1.貧血である。
2.産後うつ病である。
3.子宮復古は順調である。
4.乳汁分泌が遅れている。

【解答】3
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【解説】

1:貧血の目安となるヘモグロビン濃度の値は、血液1DL中に男性で14g以下、女性で12g以下、男女差がなくなる高齢者では11g以下が貧血と診断されます。
低値傾向ではあるがとりあえず11あるので、大丈夫と考える。

2:表情が穏やかである産後うつの患者さんを見た経験が無いので、正答肢として考え難い。

3:バイタルサイン正常、貧血はHb11以下、Ht33%以下のため貧血なし。子宮底も硬度も正常。
子宮底が臍と恥骨の中央付近にあるということなので、子宮復古は順調である。

4:乳房は緊満しており移行乳が分泌しているとあるので、正答肢として考え難い。

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