【第110回:第118・119・120問】Aさん(88歳、男性)は、10年前に脳梗塞を発症し左半身麻痺の後遺症がある。 杖歩行はでき、要介護2で介護保険サービスを利用中である。Aさんが最近食欲がなく、水分もあまり摂らず、いつもと様子が違うことを心配した妻がAさんに付き添って受診した。 身体所見:呼びかけに対して返答はあるが反応はやや遅い。麻痺の症状に変化はない。 バイタルサインは、体温37.5℃、呼吸数20/分、脈拍100/分、血圧140/60mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)98%(room air)。 検査所見:赤血球410万/μL、白血球6,800/μL、Ht50%、総蛋白6.5g/dL、尿素窒素25mg/dL、Na150mEq/L、K3.8mEq/L、血糖値110mg/dL、CRP0.01mg/dL。 胸部エックス線写真に異常なし。

看護師国家試験
  1. Aさん(88歳、男性)は、10年前に脳梗塞を発症し左半身麻痺の後遺症がある。杖歩行はでき、要介護2で介護保険サービスを利用中である。Aさんが最近食欲がなく、水分もあまり摂らず、いつもと様子が違うことを心配した妻がAさんに付き添って受診した。身体所見:呼びかけに対して返答はあるが反応はやや遅い。麻痺の症状に変化はない。バイタルサインは、体温37.5℃、呼吸数20/分、脈拍100/分、血圧140/60mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)98%(room air)。検査所見:赤血球410万/μL、白血球6,800/μL、Ht50%、総蛋白6.5g/dL、尿素窒素25mg/dL、Na150mEq/L、K3.8mEq/L、血糖値110mg/dL、CRP0.01mg/dL。胸部エックス線写真に異常なし。
    1. 【問題118】 Aさんの状態をアセスメントするために、外来看護師が収集すべき情報で優先度が高いのはどれか。
    2. 【問題120】入院から1週が経過し、Aさんのバイタルサインなどは正常となり、食事も摂取できるようになった。 Aさんの妻は「先生からそろそろ退院できるといわれましたが、夫はほとんどベッド上で過ごしており、トイレまで歩けそうにありません。これで退院できるか不安です」と看護師に話した。現在のAさんの日常生活動作〈ADL〉は、起立時にふらつきがみられ、歩行は不安定である。ポータブルトイレを使用して排泄している。

Aさん(88歳、男性)は、10年前に脳梗塞を発症し左半身麻痺の後遺症がある。杖歩行はでき、要介護2で介護保険サービスを利用中である。Aさんが最近食欲がなく、水分もあまり摂らず、いつもと様子が違うことを心配した妻がAさんに付き添って受診した。身体所見:呼びかけに対して返答はあるが反応はやや遅い。麻痺の症状に変化はない。バイタルサインは、体温37.5℃、呼吸数20/分、脈拍100/分、血圧140/60mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)98%(room air)。検査所見:赤血球410万/μL、白血球6,800/μL、Ht50%、総蛋白6.5g/dL、尿素窒素25mg/dL、Na150mEq/L、K3.8mEq/L、血糖値110mg/dL、CRP0.01mg/dL。胸部エックス線写真に異常なし。

【問題118】 Aさんの状態をアセスメントするために、外来看護師が収集すべき情報で優先度が高いのはどれか。

1.口渇感
2.呼吸音
3.尿比重
4.腹部膨満感

【解答】3
–––––––––––
【解説】検査所見で、尿素窒素 25 mg/dL、Na150mEq/Lであり、基準値と比較するとやや高値である。
口渇感からの脱水も疑われるが、腎機能低下の可能性の方が緊急性も高く、早急に鑑別が必要であると考えられる。

【問題119】 Aさんは入院となり、点滴静脈内注射が開始された。入院当日の夜間、Aさんは「ここはどこか、家に帰る」などと言い、点滴ラインを触ったり杖を使わずにトイレに1人で行こうとしたりして落ち着かず、ほとんど眠っていなかったと夜勤の看護師から日勤の看護師に申し送りがあった。
日勤でAさんを受け持つ看護師の対応として適切なのはどれか。2つ選べ。

1.時計をAさんから見える場所に置く。
2.主治医にAさんの退院について相談する。
3.日中はAさんにスタッフステーションで過ごしてもらう。
4.点滴ラインがAさんの視界に入らないようにする。
5.日中はAさんの病室の窓のカーテンを閉めておく。

【解答】1 4
–––––––––––
【解説】

1:昼夜逆転しているため。

2:現時点で何か主治医に相談することがあるとは考え難い。

3:倫理の問題はあるが、環境の変化に伴う見当識障害が考えられる為、監視下に置く必要を検討することは適切である。

4:点滴のルート自抜リスクある為、適切な対応と考えられる。

5:昼夜逆転しており、ほとんど寝ていないとのことから、少しでも安らぐ環境を提供することは適切である。

【問題120】入院から1週が経過し、Aさんのバイタルサインなどは正常となり、食事も摂取できるようになった。 Aさんの妻は「先生からそろそろ退院できるといわれましたが、夫はほとんどベッド上で過ごしており、トイレまで歩けそうにありません。これで退院できるか不安です」と看護師に話した。現在のAさんの日常生活動作〈ADL〉は、起立時にふらつきがみられ、歩行は不安定である。ポータブルトイレを使用して排泄している。

現在のAさんの状況から、退院に向けて看護師が連携する者で適切なのはどれか。2つ選べ。

1.薬剤師
2.民生委員
3.管理栄養士
4.理学療法士
5.介護支援専門員

【解答】4 5
–––––––––––
【解説】

1:バイタルサインなどは正常、食事も摂取できるようになったとあるので、薬剤師との連携は他の選択肢に比べて、優先順位が低く思える。

2:民生委員は、民生委員法に基づいて厚生労働大臣から委嘱された非常勤の地方公務員です。社会福祉の増進のために、地域住民の立場から生活や福祉全般に関する相談・援助活動を行っているが、AさんにはADLの訓練と介護支援が優先される。

3:管理栄養士は、厚生労働大臣の免許を受けた国家資格で、主に高齢者や闘病で食事がとりづらくなっている方などひとりに合わせて専門的な知識と技術を持って栄養指導や給食管理、栄養管理を行う。Aさんは食事も摂取できるようになっているので、他の選択肢に比べて、優先順位が低く思える。

4:トイレまで歩けそうにありません。これで退院できるか不安ですとのことから、ADLの不安定さがあるため、理学療法士と連携を行い、リハビリテーションプランを検討する。

5:介護支援専門員は、「介護保険法」に規定された専門職で、居宅介護支援事業所や介護保険施設に必置とされている職種。略してケアマネとも呼ばれており、退院後の生活のために介護支援専門員(ケアマネ)への連携が必要である。

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