膵臓切除術後のドレーンから濃い赤の血性の排液がみられた。大出血の原因はどれか。
- 縫合不全
- 胆汁漏が起こっている
- 膵臓手術後には出血傾向が起こるため
- 排液により膵臓周囲の血管が解けたため
正解【 4 】
1 × |
縫合不全 →胆管と腸をつないだ部分(胆管空腸吻合)や胃と腸をつないだ部分(胃空腸吻合)が完全に治癒せず一部分にほころびが生じた状況がおこることを言います。消化液がおなかの中に漏れて周囲に炎症を引き起こしますが大出血の直接的な原因とはなりにくい。漏れた消化液がおなかの中に広がると腹腔内膿瘍につながることがありますので、手術の時に入れた管(ドレーン)や新たに入れた管を通して漏れた消化液を体の外に導き出すようにします。縫合不全が治癒するまでに通常1.5-2か月かかります。 |
2 × |
胆汁漏が起こっている →胆汁漏が起こっても大出血は起こらない |
3 × |
膵臓手術後には出血傾向が起こるため →膵臓の手術後に限って出血傾向になるということはない。 |
4 〇 |
排液により膵臓周囲の血管が溶けたため →膵臓と腸のつなぎ目から膵液が漏れることを膵液漏といいます。漏れた膵液は消化液や胆汁と混じることにより活性化され、周囲の組織を溶かしたり膿を作ったりして炎症を引き起こします。まれですが近くの動脈を溶かして出血を引き起こし(2-5%)、生命にかかわる深刻な状況になることがあります。多くの場合、手術の時に入れた管(ドレーン)から漏れた膵液を回収することにより深刻な状況には至りませんが、膵液漏が収まるまで、ドレーン腔を洗浄したりしながら慎重に経過を見る必要があります。 |
POINT!
膵液は、消化酵素を含んでおり、たんぱく質や脂質などを分解する。膵臓切除の後には、膵液が腹腔に漏れ出ることにより、血管を溶かし、大出血を起こすリスクがある。
ドレーンの排液の正常な流れでは、
淡血性→淡々血性→淡黄色→淡々黄色
と変化していく。
今回のように、膵臓切除術が行われ、血管が分解されることで、ワイン色の血性排液がみられる。
このことからも、術後のドレーン管理は重要な視点になります。
膵液について
●1日に約1リットル分泌される。
●糖質分解酵素としてアミラーゼ、脂肪分解酵素としてリパーゼが分泌される。
●たんぱく質分解酵素として、トリプシンなどが知られている。
●セクレチン分泌によりHCO3-(重炭酸イオン)の分泌が増加する。
●電解質としては、多量の重炭酸ナトリウムを含み、弱アルカリ性で胃酸を中和する働きがある。
<膵液の消化酵素>
・膵液を:膵液の消化酵素
・アミ :アミノ酸
・ト :トリプシン
・リ :リパーゼ
・したら
・父 :糖質
・たん :たんぱく質
・死亡 :脂肪
膵液について
●1日に約1リットル分泌される。
●糖質分解酵素としてアミラーゼ、脂肪分解酵素としてリパーゼが分泌される。
●たんぱく質分解酵素として、トリプシンなどが知られている。
●セクレチン分泌によりHCO3-(重炭酸イオン)の分泌が増加する。
●電解質としては、多量の重炭酸ナトリウムを含み、弱アルカリ性で胃酸を中和する働きがある。
<膵液の消化酵素>
・膵液を:膵液の消化酵素
・アミ :アミノ酸
・ト :トリプシン
・リ :リパーゼ
・したら
・父 :糖質
・たん :たんぱく質
・死亡 :脂肪
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