摘便について正しいのはどれか

看護師国家試験

摘便について正しいのはどれか

  1. 医療行為ではない
  2. はじめは患者に腹式呼吸をしてもらう
  3. 施行時に肛門のマッサージは禁忌である
  4. 臥位の場合は膝を軽く曲げてもらう

 

正解【 4 】

 
1 ×
医療行為にあたる
2 ×
はじめは患者に腹式呼吸をしてもらう
はじめは口で呼吸してもらう。
口で呼吸することで、腹部の緊張が和らぎ、苦痛を和らげることができる
3 ×
施行時に肛門のマッサージは禁忌である
施行時に肛門マッサージは便を出やすくするために行うことがある。
4 〇
臥位の場合は膝を軽く曲げてもらう
膝を曲げることで、肛門括約筋の緊張を和らげる。
臥位の状態ではうまく努責を行うことができなことがあるため、その場合は、摘便している反対の手で腹部を圧迫し努責を促すなど、排便しやすいように援助を行う。
POINT!

摘便
摘便を行う際は、指を直腸壁に沿わせ、回転しながら行う。イメージは、直腸壁と便塊に隙間を作るイメージです。
便塊が大きい場合は、少しずつ指先で砕いて小さくして排出するように行うのが良い。
下剤を服用している高齢者などに、下痢状の便が絶えず漏れ出る失禁がみられることがあります(溢流性便失禁)。これは、直腸内の便塊が排便を障害していることが原因にあります。この状態では、摘便を行い、便塊を排出するように援助を行うことで改善が見られます。

<溢流性便失禁の機序>
1)直腸内に蓄積した便塊の隙間を下剤でゆるくなった便がつたっていく。
2)便塊により直腸が過伸展を起こし、肛門括約筋は弛緩し、常に肛門が開いた状態になっているため、便が絶えず漏れ出てしまうこととなる。

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