Aさん(30歳、初産婦)は妊娠39週3日で陣痛発来し、4時に入院した。その後、陣痛が増強して順調な分娩進行と診断されて、11時45分の診察で子宮口が8cm開大となった。看護師が12時に昼食を配膳にいくとAさんは額に汗をかいて、側臥位で「陣痛がつらくて何も飲んだり食べたりしたくありません」と言っている。陣痛発作時は強い産痛と努責感を訴え、目を硬く閉じて呼吸を止めて全身に力を入れている。
【問題106】 Aさんへの看護で最も適切なのはどれか。
1.坐位になるよう勧める。
2.シャワー浴を勧める。
3.食事摂取を促す。
4.呼吸法を促す。
【解答】4
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【解説】
1:陣痛発作時は強い産痛と努責感を訴えている妊婦を座位にする理由が思いつかない。
2:目を硬く閉じて呼吸を止めて全身に力を入れている妊婦に、シャワー浴を勧める根拠が説明できない。
3:「陣痛がつらくて何も飲んだり食べたりしたくありません」と言っている妊婦への対応として考え難い。
4:子宮口が全開する前に、つらくてコントロールができない状態になる前に全身の力を抜いて、極期の呼吸法を促すことが望ましい。
呼吸法は、 いきみを逃がす呼吸法で、ヒッヒッフー、ヒッヒッフーなどが有名ですね。
【問題107】Aさんは16時15分、3,300gの男児を経膣分娩で出産した。アプガースコア(Apgar)は1分後9点。胎盤娩出直後から凝血の混じった暗赤色の性器出血が持続している。この時点での出血量は600mL。臍高で柔らかい子宮底を触れた。脈拍90/分、血圧116/76 mmHg。意識は清明。 Aさんは「赤ちゃんの元気な泣き声を聞いて安心しました」と言っている。このときの看護師のAさんへの対応で最も適切なのはどれか。
1.子宮底の輪状マッサージを行う。
2.膀胱留置カテーテルを挿入する。
3.水分摂取を促す。
4.全身清拭を行う。
【解答】1
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【解説】
1:分娩直後の子宮底高は臍下3横指が正常であるが、臍高で柔らかいとあり、子宮収縮が不良と考えられる。子宮底の輪状マッサージを行うなどの処置を行い、子宮の収縮を促す。
2:膀胱留置カテーテルを挿入する根拠が説明できないため、正答肢とは考え難い。
3:出血過多の場合は血流内の水分量の回復を助けるために水分摂取や輸液も行いますが、まずは子宮の収縮不良の対応を行う。
4:全身清拭を行うより、他の選択肢の方が優先順位が高いと考えられる。
【問題108】Aさんの分娩経過は以下のとおりであった。
2時00分 陣痛周期10分
4時00分 入院
15時00分 分娩室入室
15時30分 子宮口全開大
16時00分 自然破水
16時15 児娩出
16時30分 胎盤娩出
Aさんの分娩所要時間はどれか
1.12時間30分
2.14時間15分
3.14時間30分
4.16時間30分
【解答】3
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【解説】 分娩所要時間は、「分娩開始(第1期)から胎盤娩出(第3期)の所要時間」をいう。
分娩開始とは、陣痛周期10分以内、または陣痛頻度が1時間に6回の規則的発来となった時点をいう。
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